(中国税務速報) 第6回2025年8月 新たな規制を洞察し、スマートに変革に挑む——「中華人民共和国増値税法実施条例(意見募集稿)」の要点解説 概要: •「中華人民共和国増値税法」(以下「増値税法」)の円滑な施行を確保するため、国務院の2025年度立法作業計画に基づき、財政部と国家税務総局は2025年8月11日付けで「中華人民共和国増値税法実施条例(意見募集稿)」(以下「実施条例意見募集稿」)を公布し、2025年9月10日までパブリックコメントを募集する。「実施条例意見募集稿」は総則、税率、納付税額、税制優遇、徴収管理、附則の6章57条から構成され、「増値税法」の関連規定をさらに細分化・明確化するとともに、国務院に規定の権限を委譲する事項について具体的に規定することにより、増値税制度の確実性と運用性をさらに強化し、増値税法の円滑な施行を確保する。本稿では、「実施条例意見募集稿」について詳細に分析し、企業が注目すべき政策ポイントを整理している。企業は、これらの政策ポイントがもたらし得るあらゆる潜在的な影響を事前に評価し、対応策を検討されるよう提案する。 KPMGの所見— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — KPMG間接税チームは、かねて増値税法の立法過程を注視し、KPMGのWeChat公式アカウントにて2019年11月、2023年1月、2024年12月にそれぞれ「増値税法」草案及び全国人民代表大会常務委員会の審議を経て可決された「増値税法」に関する詳細な解説と分析を発表した。財政部と国家税務総局が「実施条例意見募集稿」を公布した直後、KPMG間接税チームは「実施条例意見募集稿」に関して詳細に解説し、注目すべき主要な政策ポイント及び納税者にもたらし得る影響を下記のとおりまとめた。 主要な政策ポイント 詳細な解説及び影響分析 財税[2016]36号文の規定によると、国外の組織又は個人が完全に国外で行われるサービス、若しくは完全に国外で使用される無形資産を国内の組織又は個人に販売する場合、サービスや無形資産の国内販売に該当しないため、増値税を納付する必要はない。 サービスや無形資産が中国国内で消費されることに関する詳細な規定 第4条:増値税法第4条第4項にいうサービスや無形資産が中国国内で消費されることとは、次に掲げる場合を指す。 (一)国外の組織又は個人が国内の組織又は個人にサービスや無形資産を販売する場合。ただし、国外で現地消費されるサービスを除く。 また、「実施条例意見募集稿」では、「増値税法」第4条第3項における「中国国内で販売される金融商品」について詳細な規定を定めていない。例えば、一部のデリバティブが公開市場で「販売」されていない可能性があるなど、金融商品の複雑性・多様性を鑑みて、潜在的な税務紛争を回避するために、今後公布される関連文書において「金融商品が中国国内で販売される」判断基準をさらに明確にされるよう提案する。 「増値税法」では、セット販売に関して1件の販売行為においてサービスと貨物の両方を含まれなければならないという要件を撤廃し、1件の課税取引において2つ以上の税率、徴収率が適用されることのみを強調している。適用税率、徴収率の判断においては、当該課税取引の主要業務に基づいて行う必要がある。 セット販売に係る税率、徴収率の適用ルールの明確化 第10条増値税法第13条における主要業務に基づいて税率、徴収率を適用する1件の課税取引は、下記の条件を同時に満たす必要がある。 (一)1件の課税取引に税率、徴収率の異なる2件以上の業務が含まれる。 「実施条例意見募集稿」第10条では、「1件の課税取引」の判断基準を定め、業務間で明確な主従関係があることを明確に規定しており、セット販売に適用される税率、徴収率の判断ルールをさらに明確にした。 (二)業務間で明確な主従関係が存在する。主要業務は主導的な地位を占め、取引の実質と目的を反映している。付属業務は主要業務に欠かせない補充であり、主要業務の発生を前提としている。 特に注目すべきは、これらの判断ルールは定性的原則に基づいており、比較的主観的であり、財務・税務担当者は業務に関する専門的な知識の不足により、取引の実質 「実施条例意見募集稿」第26条では「長期資産」の定義を示し、混合使用の長期資産の仕入税額控除に対して新たな規定を取り入れた。即ち、取得原価が500万人民元を超えない個別長期資産の場合、現行の増値税関連法規を継続して適用し、対応する仕入税額を全額控除することができる。取得原価が500万人民元を超える個別長期資産は、購入時にまず対応する仕入税額を全額控除し、混合使用期間において当該長期資産の耐用年数又は償却年数に基づいて控除対象外仕入税額を年ごとに調整する。 (二)一般課税方式の対象項目だけでなく、5つの控除不可項目にも使用される場合(以下「混合使用」)、取得原価が500万人民元を超えない個別長期資産は、対応する仕入税額を売上税額から全額控除することができる。取得原価が500万人民元を超える個別長期資産は、購入時にまず対応する仕入税額を売上税額から全額控除し、混合使用期間において耐用年数又は償却年数に基づいて5つの控除不可項目に対応する売上税額から控除してはならない仕入税額を計算し、年ごとに調整する。 世界の多くの国では資本財スキーム(Capital GoodsScheme)、即ち資本財の仕入税額に対する段階的な控除を適用しており、当該制度の目的は長年にわたって使用される資産に公平かつ合理的な増値税配賦方法を提供することである。中国は取得原価が500万人民元を超える長期資産に対して仕入税額を年ごとに調整する方法を適用することで、世界VAT制度へのコンバージェンスを示した。 (三)長期資産が仕入税額控除可能項目と仕入税額控除不可項目の間で用途変更が発生した場合、当期の期首正味額に基づいて控除対象仕入税額と控除対象外仕入税額を計算する。 長期資産の仕入税額控除の具体的な方法は、国務院の財政・税務主管部門が別途規定する。 取得原価が500万人民元を超える個別長期資産に対する仕入税額控除制度には、更なる明確化が待たれる問題点がいくつ残っている。企業には、国務院財政・税務主管部門の後続の関連政策に注目し、影響評価及び対応準備を事前に行うよう提案する。 「実施条例意見募集稿」にある「長期資産の取得」という文言は、購入や賃借などの方式で取得した長期資産がすべて当該規定の対象となることを意味するのだろうか。 長期資産の控除対象外仕入税額の年ごとの調整の具体的な時期は、「実施条例意見募集稿」第23条の年度清算調整方法(即ち1月の申告期間において前年度の控除対象外税額に対する全体的な調整)と整合するか。 耐用年数又は償却年数は、会計上の年数を指すか、それとも企業所得税法に定められた年数を指すか。 新旧長期資産間の増値税処理の合理的な整合を確保するために、既存の長期資産に対して移行政策を設けるか。 KPMGのご提案— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — 増値税法は2026年1月1日より施行される。企業には、「実施条例意見募集稿」における注目すべき主要な政策ポイントについて、業界及び企業の特性を考慮した上で、これらの政策が企業にもたらし得るあらゆる潜在的な影響を事前に評価し、対応策を講じられるよう提案する。 KPMGの間接税チームは、かねて増値税の立法過程を積極的に追跡し、業界からのフィードバックを入念に確認して参りました。KPMGは、あらゆる業界の企業から「実施条例意見募集稿」に関するご意見とご提案を幅広く収集し、政策策定部門に適時に届ける予定です。是非、KPMGの担当者まで貴社の貴重なご意見をお聞かせください。 お問合せ先 華北地域 Morimoto Tadashi森本雅PartnerパートナーEmail: tadashi.morimoto@kpmg.comTel: +86 (21) 2212 2322 Li Lisa李輝PartnerパートナーEmail: lisa.h.li@kpmg.comTel:+86 (10) 8508 7638 華南地域 華中・華東地域 Inanaga Shigeru稲永繁PartnerパートナーEmail:shigeru.inanaga@kpmg.comTel: +86 (20) 3813 8109 Hayashida Hironori林田弘徳PartnerパートナーEmail:hironori.hayashida@kpmg.comTel: +86 (21) 2212 2286 Chen Vivian陳蔚 Xu Jie徐潔 PartnerパートナーEmail:vivian.w.chen@kpmg.comTel: +86 (755) 2547 1198 PartnerパートナーEmail:jie.xu@kpmg.comTel: +86 (21) 2212 3678 Wang Zhewei王哲蔚 PartnerパートナーEmail: zhewei.wang@kpmg.comTel: +86 (21) 2212 2717 kpmg.com/cn/socialmedia For more KPMG Hong Kong SAR Tax Alerts, please scan the QR code or visit our website:https://kpmg.com/cn/en/home/insights/2025/01/china-tax-alert.html For a list of KPMG China offices, please scan the QR code or vis it our website: https://kpmg.com/cn/en/home/about/office-locations.html The information contained herein is of a general nature and is not intended to address the circumstance s of any particularindividual or entity. Although we endeavour to provide accurate and timely information, there can be no guarantee that suchinformation is accurate as of the date it is received or that it will continue to be accurate in the future. No one should act onsuch information without appropriate professional advice after a thorough examination of the particular situation. © 2025 KPMG Huazhen LLP, a People's Republic of China partnership, KPMG Advisory (China) Limited, a limitedliability company in Mainland China, KPMG, a Macau SAR partnership, and KPMG, a Hong Kong SAR partnership, aremember firms of the KPM