日本政府は2050年までにネット・ゼロを達成し、2030年までに2013年比46%の排出削減を目標としています。気候変動対策のための移行を経済的な機会として位置づけ、ステークホルダーの行動に関する指針を示しています。「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」は、産業界を念頭に、排出削減が困難なセクターにも焦点を当てたものです。「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」は、プロジェクトレベルの排出量だけでなく、事業体全体の脱炭素戦略についても検討すべきであると提言しています。「パリ協定に基づく成長戦略」では、経済成長と温室効果ガス排出削減は並行して行われ、移行は科学的根拠に基づく公正なものとなるという方針を明らかにしています。
日本は「グリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けた基本方針」を発表し、再生可能エネルギー、省エネ、循環経済対策を含む、さまざまな投資機会を特定、支援しています。GX計画は、エネルギー、運輸、産業、金融を対象として含み、野心的な目標と行動・投資のガイドラインを提供しています。民間セクターによる投資促進のため、20兆円のGX経済移行債の発行を約束しています。
機会として、日本は自然エネルギー、蓄電池、地域間送電と省エネの組み合わせにより、2035年までに必要な電力需要の70%を発電できるという可能性があります。再生可能エネルギーのコストが既存の燃料ミックスに匹敵することも示されています。
しかし、日本が必要とする大幅かつ迅速な脱炭素化を支えるには、より厳しい適格基準が不可欠であると考えられています。技術開発や予測の確実性が増すにつれて、GX債のトランジション・フレームワークを調整・拡大していくことは十分に可能です。
クライメート・ボンド・イニシアチブは、以下の7つの提言を行っています:
- 確立された技術の優先:省エネ、再生可能エネルギー、送電網の柔軟性、需要管理を優先する。
- 石炭火力発電廃止の年限の設定:完全な排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的廃止の明確な期限を設定する。
- ガス関連投資の適格性を厳格に制限:ガスの役割を厳しく制限し、排出削減対策が講じられていない化石燃料の着実な段階的廃止を加速する。
- 低炭素水素・アンモニアの基準強化:水素生成がエネルギー、排出量、水、サプライチェーンの観点から持続可能であることを保証するための明確なガイダンス・基準の早期導入。
- 適切な炭素価格の確保:排出権取引制度(ETS)により適切に高い炭素価格が確保する。
- 企業によるトランジション計画の策定・開示の推進・強化:科学的根拠に基づく包括的なトランジション計画を策定するための要件や指針を定める。
- 大胆かつ厳格な1.5°C整合ソブリンGX債発行:投資家の信頼を構築するために不可欠である。
これらの提言は、日本が信頼できるトランジション・ファイナンスを発展させるための重要なステップであると考えられています。