三菱電機がウインドリバーを採用し、エッジコンピューティングにインテリジェンスを提供 FAの装置制御・エッジコンピューティング向け最先端ソリューションにVxWorksを搭載 インダストリアルIoT(IIoT)によってファクトリーオートメーション(FA)が急速に進化するなか、エッジコンピューティングが脚光を浴びています。一般的にエッジコンピューティングとは、コンピューティングパワーやアプリケーションを制御対象の物理的な装置の中や近くに設置することを意味し、集中制御システムから独立している場合も少なくありません。エッジコンピューティングは、製造業のデジタルトランスフォーメーションを加速し、スマートファクトリーを実現するうえで、重要な役割を担っています。 三菱電機株式会社 業種 ファクトリーオートメーション(FA)、電力、交通システム分野の産業用電機機器 ソリューション •VxWorks•ウインドリバー仮想化テクノロジ FA用途電子機器の世界的メーカー、三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、エッジコンピューティングはインダストリアルIoTの要だと考えています。エッジコンピューティングにより、デバイスやデータへのセキュリティを向上すると同時に、クラウドとのデータトラフィックによる負荷軽減、生産現場に近い場所でデータ管理・処理・フィードバックを行うことで設備保守等の迅速な対応が可能になるなど、IoTのメリットを強く享受することができます。 メリット •信頼性に優れた装置のリアルタイム制御とエッジコンピューティングを単一の筐体で実現•複数のアプリケーションを単一の仮想化プラットフォーム上に統合•製造業のデジタルトランスフォーメーションを加速:高度なエッジコンピューティングにより、顧客の生産改革とものづくりへの価値創造を実現•ベンダ1社によるサポートで、迅速な対応を実現 MI5000には、ウインドリバーのリアルタイム向け仮想化テクノロジも搭載されています。「従来からのVxWorksへの品質に対する信頼性から、Virtualization Profile for VxWorksの採用に至りました」と三菱電機株式会社名古屋製作所FAシステム第一部コントローラ開発課課長綿部良介氏は述べてい ま す 。 当 初 、 自 社 製 の ソ フ ト を 使 っ て 仮 想 化 プ ラッ ト フ ォ ー ム を 構 築 す る と い う 案 も あ り ま し た 。 ま た他 社 の ソ リ ュ ー シ ョ ン を 比 較 し た 上 で 、 最 終 的 に 実績 の あ る ソ リ ュ ー シ ョ ン を 採 用 す る こ と に な り 、 他社 の ソ リ ュ ー シ ョ ン の 選 択 肢 は あ り ま せ ん で し た 。「新たにHypervisorのような技術に取り組むうえで、サポートの点からもソフトウェアのベンダは1社にまとめた方が良いとも考えました」(綿部氏) 課題 装置のリアルタイム制御とエッジコンピューティングを単一の筐体に統合 三菱電機は、シーケンサやレーザー加工機など、多数のFA分野で国内トップクラスのシェアを擁し、世界市場でもFAシステムの3大メーカーの一翼を担っています。2018年には、エッジコンピューティングのための初の産業用ハードウェア「MELIPCシリーズ」を発表しました。MELIPCの開発目的は主に2つあります。ひとつは、三菱電機が推進するエッジコンピューティングで稼動するハードウェアの必要性を満たすこと、そしてもう一方は、装置制御用コントローラとして従来参入が難しかったビジョン技術など先進技術と連携した高度な装置制御分野へ参入することです。 MELIPCは、VxWorksベースのリアルタイム制御プラットフォーム上に、高性能なWindows OSのような汎用OSベースの汎用アプリケーションを搭載したいという需要に対応するべく開発されました。「Virtualization Profile for VxWorks上に、VxWorksとWindowsをゲストOSとして搭載し、両機能を統合しました。ゲストOS上で利用可能な機能の検証等は初めての試みでしたが、ウインドリバーからVxWorksとHypervisorのテクニカルサポートをワンストップで提供されたことから、問題があった際も切り分けが容易となり、また迅速なサポートにより、期待した結果を得ることができました」(綿部氏) 三 菱 電 機 は 、「Edgecross」 の 仕 様 策 定 や 普 及 を 推 進 す るEdgecrossコンソーシアムの幹事役を務め、エッジコンピューティングを業界規模で強力に推進しています。Edgecrossは、企業・産業の枠を超え、コンソーシアム会員が共に構築し、FAとITとの協調を実現するオープンなエッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォームです。 「MELIPCシリーズ」は、Edgecrossを標準搭載したエッジコンピューティングのための同社初のハードウェアです。「MELIPCシリーズ」の最上位機種MI5000は、リアルタイム制御を担保しながら、高速なデータ収集・処理・診断・フィードバックを単一の筐体に統合して、インダストリアルIoTシステムの構築コストの削減と省スペースを図るものです。それを実現するために、開発チームは、リアルタイム制御と実績ある分析・診断アプリケーションを柔軟に統合できる、信頼性に優れたプラットフォームを必要としていました。 導入効果 高度なエッジコンピューティングで、製造業のデジタルトランスフォーメーションを推進 三菱電機の企業理念は、「技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献すること」です。その実現に向けて、同社は製造業IoTの旗振り役として、エッジコンピューティングの普及に取り組んでいます。かねてより、三菱電機は製造業におけるIoT活用を通じた価値創出をそのビジョンに掲げてきました。顧客の生産改革とものづくりへの価値創造を実現し、顧客のビジネスにおける重要課題への取り組みを支援しています。 アプローチ Wind River VxWorksと仮想化テクノロジ 三菱電機は、MI5000の制御プラットフォームとしてFAでは不可欠な制御性能を確保できるVxWorks®リアルタイムOSを採用しました。VxWorksにより、MI5000は、装置のリアルタイム制御とエッジコンピューティングを単一の筐体で実現しました。高速なCPU性能と高いリアルタイム性能の融合により、リアルタイム制御を担保しながらIoT機器からのデータ収集、エッジアプリケーションによるデータ分析解析を容易かつ高速に実行することを可能にしました。 ウインドリバーは、三菱電機のIoT戦略の一端を担っており、今後のプロジェクトでも、協力関係の継続が期待されています。「過去10年以上にわたりウインドリバーの製品やサービスを利用しています。ウインドリバー製品のコアテクノロジへの信頼性は高く、安心して利用できます。サポートにも満足しており、今後も長く利用していきたいと考えています」