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人力资本经营与人才战略(日)

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~人的資本経営の実践的ストーリーブック~ 人材委員会報告書(経営者版) 一般社団法人日本経済調査協議会 Japan Economic Research Institute はじめに ―報告書をまとめた私たちの思い― 昨今、企業の新たな経営思想ならびに企業価値評価軸として注目されている『人的資本経営』。人材は「資源」ではなく「資本」であるという考え方が一気に広まったのは、いうまでもなく、2020年の経済産業省「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の報告書(いわゆる「人材版伊藤レポート」)発表が契機である。そして、2023年3月期から上場会社の人的資本に関わる情報開示が義務化されたことも相まって、今や多くの経営者が重要課題と認識している。ただ、人的資本経営の実現は一朝一夕に進むものではない。理念は理解しても、それを実践していく具体的道筋については未だ手探り状態で、先ずは開示対応に追われているというのが、多くの企業の現状であろう。 本委員会には、革新的な人事戦略に挑戦してきた企業の人事責任者(CHRO)と人的資本経営の研究者が委員として集い、人的資本経営について様々な視点から一年間にわたり議論を重ねてきた。その成果をまとめたのが本報告書である。といっても、いわゆる政策提言書ではない。むしろ、これから人的資本経営を実践しようと考えている経営者(CEO・CHRO)にとっての手引書といった方が良いかもしれない。そうした思いから、人的資本経営とは何であるかを「人材版伊藤レポート」で示された定義を踏まえつつも、より実務的な視点で独自に定義した。それが『従業員一人ひとりが思いをかなえる経営』、つまり人的資本経営の主役は従業員であり、従業員の主体性を重視する、というメッセージである。その上で、人的資本経営を実践していくための5つのポイントを明確にし、人材戦略を具体的に5つの要素で実施する「ABCDEストーリー」を提唱した。本報告書が、各社の人的資本経営に資する人事戦略構築の一助となることを、心から期待している。 なお、人的資本経営を実践していくためには、従業員一人ひとりが人的資本経営について正しく理解し、自分事として考えるという意識改革も必要となるだろう。今回、従業員向けの『人的資本経営と「働くあなた」』という解説書も策定した。従業員との対話がスムースに進められるよう、ご活用いただきたい。 最後に、取りまとめの労を取っていただいた大久保主査、熱心に議論に参加いただいた委員各位、ディスカッションに参加いただいた一橋大学伊藤邦雄先生、ブラックロック・ジャパン江良明嗣氏、そして事務局各位に心より御礼申し上げる。 人材委員会委員長木川眞 人材委員会委員名簿 (敬称略) 大久保幸夫 ゲスト(講演順、敬称略、所属・役職は講演当時) 江良明嗣ブラックロック・ジャパン株式会社マネージング・ディレクターインベストメント・スチュワードシップ部長伊藤邦雄一橋大学CFO教育研究センター長 顧〇問 杉浦哲郎日本経済調査協議会調査委員長 事務局 小田寛一日本経済調査協議会専務理事石井浩之日本経済調査協議会主任研究員石川美子日本経済調査協議会リサーチ・アシスタント 目次 1.私たちが考える人的資本経営とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.人的資本経営と人材戦略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.人材戦略のABCDEパッケージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54.参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105.委員会運営記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 1.私たちが考える人的資本経営とは 1-1人的資本は新しい概念ではない 人的資本経営が新しい経営手法として注目を集めている。 人的資本経営という言葉が一般に知られるようになったのは2020年からであろう。経済産業省主催の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」が契機であるが、実は人的資本、人的資本経営という概念は新しいものではない。 1992年にノーベル経済学賞を受賞した故ゲーリー・ベッカー博士が、1964年に発表した『人的資本(Human Capital)』が起点であり、ベッカーは「すべての投資のなかで、一番価値のあるものは、人的資本への投資(人間への投資)である」ことを分析結果に基づき発表したのである。ベッカーの人的資本理論は企業経営に影響を与え、すでに1990年代には人的資本経営(当時は知的資本経営という呼び方が主流であった)の実践がいくつかの国といくつかの企業ではじまっていた。 ただし当時の問題意識は企業の「無形資産(intangible asset)の評価」にあったため、人的資本については評価手法が定まらず、大きな広がりになることはなかった。そのため人材は「コスト」ではなく「資産(資本)」であるという哲学が生まれただけで、従来からの経営手法自体が変わることはなかった。 その後リーマンショックを経て、投資家の関心が短期的利益から中長期的な企業価値の持続的向上に移り、2006年に国連が機関投資家に対し、ESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI)を提唱すると、S(=social)の要素としてダイバーシティへの取り組みや人材戦略そのものにも注目が集まるようになってきた。 日本における人的資本経営というトレンドはこのような歴史的経緯を踏まえて生まれてきたのである。 1-2人材版伊藤レポートのインパクト 経済産業省研究会の報告書として2020年9月に「人材版伊藤レポート」が発表される。これは投資家の視点を盛り込んで、企業戦略とりわけ人材戦略の見直しを求めたもので、一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏を中心としたチームがまとめたことから伊藤レポートと呼ばれている。経営戦略と人事戦略の連動を求め、3つの視点・5つの共通要素からなる人材戦略の枠組みを示した。 伊藤レポートはCEO・CHROに大きなインパクトを与え、その後組織化された人的資本経営コンソーシアムには、549法人が参集するという広がりを見せている(2023.9.12時点)。 日本企業はバブル経済の崩壊以降、それまでの高度経済成長モデルから成熟モデルへの変更を模索し、日本型雇用の微修正を繰り返してきた。しかしグローバル化・デジタル化が進む環境下で徐々に競争力を低下させてきていて、人事戦略の抜本的見直しが必要と指摘されてきていた。伊藤レポートはこのような時代背景のなかで生まれたものと言えるだろう。資本市場との対話を促している点に大きな特徴があり、CEOとCHROが連携して投資家と対峙していくときの「共通言語」を提供したところに大きな価値があると考えられる。 1-3私たちの独自定義 日本経済調査協議会人材委員会のメンバーは、人事戦略の実務家・研究者という専門家により構成されている。人的資本経営というコンセプトに共感しつつ、現実に人材戦略の構築と向き合うとき、これまでの人事体系にどのようにメスを入れ再構築していくのか、働く従業員の支持をどのように得ていけるのか、ということに頭を悩ませているメンバーである。 人的資本経営に関して対話を重ねるうちに、人的資本経営の定義から考える必要があると思い至った。もちろん経済産業省が示す「人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」という定義があるが、これをもう一段階掘り下げ、クラフティングするべきだと考えた。 結論から言えば、私たちの独自定義は以下のようにまとまった。 人的資本経営とは、従業員一人ひとりが思いをかなえる経営であり、人材に投資することを通じて持続的に企業価値を高める経営である 「従業員一人ひとりが思いをかなえる経営」という部分に独自性がある。なぜこのような表現になったのか。2つのポイントを説明しよう。 ひとつは、人材と企業価値をつなぐプロセスを明確にしたいと考えた結果であるということ。人材=従業員がどうすれば持続的に企業価値が高まるのかといえば、企業として掲げる戦略やパーパス(存在意義)に従業員が共感して、自らが持つ価値観や思いにつなげて行動に移すということであろう。 そしてもうひとつは、従業員と共有できる定義にしたいと考えたことである。「従業員一人ひとりが…」というように、従業員を主語にすることで、何を期待されているのかをわかるように、メッセージを込めた。 1-4人的資本に関する理解 併せて、人的資本の定義についても理解を深めた。人的資本は「人材を資本とみなす」ということだが、より厳密にいえば、ゲーリー・ベッカーが「人的資本とは教育や訓練を通して高めることができる人間個人の能力」と定義しているように、人材が持つ能力のことである。次のように整理しておきたい。 ①専門的かつ体系的な知識②業務遂行に必要な対人能力や思考力③ものの見方・考え方④慮る力やサービス精神⑤創意工夫する行動特性 これらはいずれも価値創造に必要な能力である。専門知識は「筋のいい信念」を生み、イノベーションにつながる。対人能力や思考力は対話と連携を促進するリーダーシップに通じる。多様なものの見方・考え方は多様な仮説となり価値創造の源になる。慮る力は顧客の潜在ニーズを発掘する。そして創意工夫する行動特性は粘り強い試行錯誤に向かわせる。 このような能力を集め、高めることで、持続的に企業価値を高めるような活動が生まれるのである。 その能力は多様であることが前提だ。同じ能力を持った人が10人いるよりも、異なる能力を持った人が10人いるほうが価値創造につながるからだ。その点で人的資本経営の中心にはダイバーシティ経営(DE&I)があると言えるだろう。 企業は人的資本という、従業員一人ひとりが持つ多様な知識やスキルなどの能力の集合体を拡大するために戦略的投資を行う。対象は以下の3点である。 ①競争的賃金 ②個別的育成③心身の健康や仕事に集中できる環境 競争的賃金とは、秀でた能力を持つ人材を惹きつける人材獲得競争を勝ち抜く賃金である。一人ひとり異なる能力と能力向上ニーズも持つことに対応する個別的人材育成。そして仕事にエンゲージできる環境の提供ということである。これらを約束する一方で、従業員には、思いをかなえる価値創造に主体的に取り組むことを求めている。 2.人的資本経営と人材戦略 2-1経営戦略と人材戦略は「双子」の戦略 人材(の能力)を資本とみなして投資する人的資本経営において、人材戦略は極めて重要なものである。経営戦略のもっとも重要な部分と言ってもいいだろう。 これまでは経営戦略と人材戦略が必ずしも連動していなかったという指摘がある。それは、経営戦略が3年から5年という時間軸で描かれるのに対して、人材戦略は10年というレベルの長期の時間軸で作られるものだからであろう。さらに言えば、人材戦略は在籍している社員を起点として考えなければならない(大胆にリストラすることができないという前提)ため、経営戦略ほど柔軟に環境変化に適応させられないという制約があったことも事実である。 しかし、戦略実現のために必要となる能力を明確にすることや、リスキリングの環境が整備されつつあることなどによって、経営戦略を受けた人材戦略を構築することは不可能ではないと考える。掲げた経営戦略を、どのように実現させていくのか、その実現可能性を示す役割が人材戦略にはある。投資家も人材戦略までしっかりとつながっていることを確認して、安心して投資することができるのではないか。 経営戦略と人材戦略は、たとえるならば双子のような関係であり、CEOとCHROもまた、そのような役割を「演じる」必要があるということである。 2-2人的資本経営において「経営戦略」と「人材戦略」を連動して進めるためのポイント 双子の戦